元号法第二項の解釈に関する質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書

質問第60号

元号法第二項の解釈に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。

  平成29年3月23日

小西 洋之   

       参議院議長 伊達 忠一 殿

   元号法第二項の解釈に関する質問主意書

 昭和54年4月11日の衆議院内閣委員会において、真田内閣法制局長官は、「皇位の継承は「皇室典範の定めるところにより、」とありますから、直接的には皇室典範の第4条が働く場合にいまの改元が行われるわけでございます」と答弁し、また、同年4月20日の衆議院内閣委員会において、栂野委員の「政府は、この法案に従って、皇位の継承があった場合に一体改元を義務づけられるのですか」との質問に対し、清水内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長は、「おっしゃるとおりでございます」と答弁し、さらに、同年5月8日の参議院内閣委員会において、真田内閣法制局長官は、「いわゆる元号法案という形で制度を立てた方が安定性があるということは、これは法律的に申しますと憲法の七十三条で政府は誠実に法律を執行しなければならないということになっておりまするので、この法案が成立いたしますれば、この法案の第二項に書いてありまする改元の事由が生ずれば政府は改元をしなければならない」と答弁しているが、これらの答弁の趣旨は、法律解釈として、皇位の継承があった場合には、内閣は、元号法の規定により必ず元号を改めなければならないということか。

  右質問する。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の解釈等に関する質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書

質問第166号

天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の解釈等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。

  平成29年6月16日

小西 洋之   

       参議院議長 伊達 忠一 殿

   天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の解釈等に関する質問主意書

一 天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)附則第3条においては、皇室典範の附則に「この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法(中略)は、この法律と一体を成すものである。」との規定を新設すると規定している。
 ここにいう「一体を成すものである」との規定の法的な意味について具体的かつ分かりやすく説明されたい。この際、「特別法は一般法を破る」と称される法の普遍原則ともいうべき原則があるものと承知しているところ、一般法たる皇室典範と特別法たる天皇の退位等に関する皇室典範特例法がこの場合にどのような法的な関係として存在していることになるのかについても、具体的かつ分かりやすく説明されたい。

二 憲法第96条第二項の「この憲法と一体を成すものとして」における「一体を成すものとして」とは法的にどのような意味か。具体的かつ分かりやすく説明されたい。

三 前記一の「一体をなすものである」と前記二の「一体をなすものとして」の法的な意味の差異について、具体的かつ分かりやすく説明されたい。

四 天皇の退位等に関する皇室典範特例法は、第1条において「国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること」と規定している。私は一国会議員として、これまで天皇陛下が御高齢に至るまで象徴としての公的な御活動に精励してこられたことに対して深く敬愛の念を抱くところであるが、他方で、地元活動で様々な国民と触れ合う中で、天皇制に対して消極的な考え方を有する方や法律の専門家の方などから本法の「敬愛し」との文言について否定的な見解が示されることがあったのも事実である。
 そこで、本法にいう「国民は(中略)天皇陛下を深く敬愛し」とは、当然ながら、日本国民の全員がひとしく天皇陛下を深く敬愛しているとの意味であるのではなく、例えば、「広く国民の間に、天皇陛下が御高齢に至るまで象徴として公的な御活動に精励してこられたことに対して深く敬愛の気持ちがあることが確認できる」といったような趣旨の規定であると解して良いか、あるいは、どのような意味の規定と受け止めるべきか。政府の見解を示されたい。

  右質問する。

衆議院議員初鹿明博 君 提出 皇室会議に菅内閣官房長官が陪席したことに関する質問に対する答弁書

平成29年12月12日受領
答弁第79号

  内閣衆質195第79号
  平成29年12月12日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員初鹿明博君提出皇室会議に菅内閣官房長官が陪席したことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員初鹿明博君提出皇室会議に菅内閣官房長官が陪席したことに関する質問に対する答弁書

一から四までについて
 お尋ねの「菅内閣官房長官の席が・・・議員の輪の中にあった」の意味するところが必ずしも明らかではないが、菅内閣官房長官は、平成29年12月1日に開催された皇室会議の議案が、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)の施行日に関する件であったことから、同法を立案し、及びその施行に関する事務をつかさどる内閣官房の事務を統轄する者として、当該議案とこれに関連して同法の内容等を説明するため、当該皇室会議に出席したものである。また、個々の議員の発言について明らかにすることは差し控えたいが、当該皇室会議における合意に従い、その議事の概要を作成し、公表したところである。

衆議院議員逢坂誠二 君 提出 皇室会議における菅官房長官の役割に関する質問に対する答弁書

平成29年12月12日受領
答弁第77号

  内閣衆質195第77号
  平成29年12月12日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出皇室会議における菅官房長官の役割に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員逢坂誠二君提出皇室会議における菅官房長官の役割に関する質問に対する答弁書

一について
 御指摘のとおりである。

二について
 お尋ねの「皇室会議の議員と同じような着席形式」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成29年12月1日に開催された皇室会議を除き、内閣官房長官が皇室会議に出席した事例はない。

三から五までについて
 お尋ねの「資格」、「「議事」に参加」、「皇室会議の議員の輪に加わる」及び「皇室会議の政治主導をアピールするもの」の意味するところが必ずしも明らかではないが、菅内閣官房長官は、平成29年12月1日に開催された皇室会議の議案が、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)の施行日に関する件であったことから、同法を立案し、及びその施行に関する事務をつかさどる内閣官房の事務を統轄する者として、当該議案とこれに関連して同法の内容等を説明するため、当該皇室会議に出席したものである。

衆議院議員上西小百合 君 提出 天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に関する質問に対する答弁書

平成29年6月20日受領
答弁第399号

  内閣衆質193第399号
  平成29年6月20日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員上西小百合君提出天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員上西小百合君提出天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に関する質問に対する答弁書

一について
 平成29年3月17日に取りまとめられた「「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ」(以下「議論のとりまとめ」という。)においては、「国権の最高機関たる国会が、特例法の制定を通じて、その都度、諸事情を勘案し、退位の是非に関する国民の受け止め方を踏まえて判断することが可能となり、恣意的な退位や強制的な退位を避けることができることとなる」等とされているところ、同年6月9日に成立した天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)については、この議論のとりまとめを厳粛に受け止め、その内容を忠実に反映させて、法律案を立案したものである。

二について
 女性皇族の婚姻等による皇族数の減少に係る問題については、国民の間にも様々な意見があり、その合意を得るためには、十分な分析、検討と慎重な手続が必要であると考えており、今後、御指摘の附帯決議の趣旨を尊重し、国民世論の動向に十分配慮しつつ、適切に対処してまいりたい。

三について
 お尋ねの「真意」の意味するところが必ずしも明らかではないが、退位後の御活動については、退位後に、新たなお立場を踏まえて決せられる事柄であると考えている。

衆議院議員大西健介 君 提出 天皇陛下の退位についての法整備及び皇室典範の法律上の位置づけに関する質問に対する答弁書

平成29年3月21日受領
答弁第129号

  内閣衆質193第129号
  平成29年3月21日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 麻生太郎

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員大西健介君提出天皇陛下の退位についての法整備及び皇室典範の法律上の位置づけに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員大西健介君提出天皇陛下の退位についての法整備及び皇室典範の法律上の位置づけに関する質問に対する答弁書

一及び二について
 お尋ねの「憲法は、・・・第4条第二項と第5条のように、法律と皇室典範を明白に書き分けている」、「憲法で下位の法令を固有名詞で引用している」及び「皇室典範は、特例法を含め、他の法律では代替できない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、あくまでも一般論として純粋の法律論をお答えすれば、憲法第2条は、「皇位は、世襲のもの」とするほかは、お尋ねの「退位」を含め皇位の継承に係る事項については、「国会の議決した皇室典範」すなわち法律で、憲法第4条第二項は、国事行為の委任に係る事項については、法律で、憲法第5条は、摂政の設置等に係る事項については、「皇室典範」すなわち法律で、それぞれ適切に定めるべきであるということを規定しているものと解される。その上で、一般に、ある法律の特例や特則を別の法律で規定することは法制上可能であることを踏まえると、憲法第2条に規定する「皇室典範」には、現行の皇室典範(昭和22年法律第3号)のみならず、その特例や特則を定める別法も含み得ると考えられる。

衆議院議員奥野総一郎 君 提出 「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問に対する答弁書

平成28年10月7日受領
答弁第24号

  内閣衆質192第24号
  平成28年10月7日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員奥野総一郎君提出「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員奥野総一郎君提出「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問に対する答弁書

一について
 御指摘の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」においては、お尋ねの「退位」の問題も含め、天皇の公務の負担軽減等について、予断を持つことなく、議論を進めていただくことを予定している。

二について
 菅内閣官房長官は、平成28年9月23日午前の記者会見において、「退位」という用語を「天皇が皇位を退くこと」という意味で用いたものである。その上で、お尋ねの「譲位」という用語は様々な文脈で用いられるものであることから、「「譲位」とは異なるのか」とのお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

三、四並びに五の2及び3について
 あくまでも一般論として純粋の法律論をお答えすれば、憲法第2条は、「皇位は、世襲のもの」とするほかは、皇位の継承に係る事項については、「国会の議決した皇室典範」すなわち法律で適切に定めるべきであるということを規定しているものと解される。その上で、皇室典範(昭和22年法律第3号)第4条において、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」と規定し、崩御のみを皇位の継承の事由として定めているところであり、お尋ねの「退位」を皇位の継承の事由とするか否かは、御指摘の憲法第1条を始めとする憲法の規定の趣旨等を踏まえて、立法の問題として検討されるべき事項であると考えられる。また、一般に、ある法律の特例や特則を別の法律で規定することは法制上可能であることを踏まえると、憲法第2条に規定する「皇室典範」には、現行の皇室典範のみならず、その特例や特則を定める別法も含み得ると考えられる。

五の1について
 御指摘の報道は承知しているが、天皇の公務の負担軽減等については、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」において、予断を持つことなく、議論を進めていただくことを予定している。

六について
 皇室典範第11条第二項において「親王」から「皇太子及び皇太孫を除く」としているのは、「親王」のうち皇位継承の順位が第一位であって天皇の直系の子孫である方については、「やむを得ない特別の事由があるとき」であっても皇族の身分を離れることができないとするものであって、御指摘のように、一般的に「皇位継承順位第一位の者が皇籍離脱することを認めない」という趣旨であるとは解していないことから、そのような趣旨であることを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。

七及び八について
 政府としては、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」において、お尋ねの「退位」の問題も含め、天皇の公務の負担軽減等について、予断を持つことなく、議論を進めていただくことを予定していることから、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

衆議院議員中島政希 君 提出 皇室典範改正に関する質問に対する答弁書

平成24年2月17日受領
答弁第55号

  内閣衆質180第55号
  平成24年2月17日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員中島政希君提出皇室典範改正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員中島政希君提出皇室典範改正に関する質問に対する答弁書

一及び二について
 政府としては、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下の御公務の負担をどのように軽減していくかは、大変緊急性の高い課題であると認識している。その上で、皇室典範(昭和22年法律第3号)第12条において「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。」と規定されている皇族女子の身分等の問題に絞り、皇位の継承の問題とは切り離して検討を行うこととしたものである。
 なお、安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本に関わる事項であり、政府としては、国民各層の様々な議論も十分に踏まえながら、検討していく必要があると考えている。

三について
 政府としては、皇室の方々が国政に関与したと受け取られないよう十分に留意しつつ、今後の皇室の在り方など皇室の将来に関わる問題について、皇室の方々のお気持ちを酌み取る努力を行ってまいりたい。

衆議院議員吉井英勝 君 提出 陵墓の治定変更と公開に関する質問に対する答弁書

平成24年2月3日受領
答弁第1号

  内閣衆質180第1号
  平成24年2月3日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員吉井英勝君提出陵墓の治定変更と公開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員吉井英勝君提出陵墓の治定変更と公開に関する質問に対する答弁書

(一)について
 古代の皇室の歴史等に関する「古事記」、「日本書紀」等の記述は多岐にわたり、その解釈についても諸説あると承知しており、これらの記述が史実か否かを一概にお答えすることは困難であるため、御指摘の答弁書(平成21年7月6日内閣衆質一七一第611号)(三)及び(五)についてのとおりお答えしたものである。

(二)について
 陵墓及び陵墓参考地(以下「陵墓等」という。)は、国有財産法(昭和23年法律第73号)第3条第二項第3号に規定する皇室用財産に該当するものであるため、関係法令の定めるところにより、宮内庁が管理しているものである。

(三)について
 お尋ねの「考古学上の古墳」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の陵墓等については、文化財保護法(昭和25年法律第二百十四号)第95条が規定する措置の一環として地方公共団体が作成した遺跡台帳に、考古学上の名称が記載されていなかったため、御指摘の答弁書(平成22年8月20日内閣衆質一七五第38号)(五)についてにおいては、「不詳」とお答えしたものである。

(四)について
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の四十五陵は、「延喜式」に加え、「日本書紀」、「古事記」等の古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき治定されたものである。

(五)、(七)及び(八)について
 陵墓等の治定替え又は治定解除については、確実な資料が必要であると考えており、御指摘の答弁書(平成21年7月6日内閣衆質一七一第611号)(十三)についてにおいては、この事理を述べているものである。

(六)について
 お尋ねについては、先の答弁書(平成22年8月20日内閣衆質一七五第38号)(四)についてで述べたとおりである。

(九)及び(十)について
 陵墓参考地の治定の根拠とされた古記録や口碑伝承の内容が史実であるかを一概にお答えすることは困難であるが、陵墓参考地の治定に当たっては、古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき、総合的に判断されたものと考えている。

(十一)について
 宮内庁においては、学術論文等を収集するとともに、陵墓等の管理を通して得られる知見を踏まえ、現在も陵墓参考地の考証を行っているところである。

(十二)について
 お尋ねの「今城塚古墳」については、墳丘の長さ約二百メートルの大型の前方後円墳であり、周濠等の跡も良好に認められ、学術上重要と認められたことから、昭和33年(千九百58年)2月18日に史跡に指定した。史跡指定範囲は、墳丘、内濠、内堤、外濠及び外堤の一部である。

(十三)について
 継体天皇三嶋藍野陵は、江戸時代の享保年間(千七百16年から千七百36年までの期間をいう。)までに現在地に治定されたものであるが、当時の考証記録は残っていない。明治に至り、宮内省が、古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき、再考証を行い、現在地が適当としている。

(十四)について
 お尋ねの「太田茶臼山古墳」から出土した埴輪が製作された時期及び同古墳の築造時期については、茨木市教育委員会から五世紀中頃から後半であると考えられると聞いており、「今城塚古墳」から出土した埴輪が製作された時期及び同古墳の築造時期については、高槻市教育委員会から六世紀前半であると考えられると聞いている。

(十五)について
 御指摘の「窯跡群」については、「今城塚古墳」等に置かれた埴輪が製作されていたと考えられる大規模な工房の跡であり、当時の埴輪製作の実態が具体的に捉えられる点で学術上重要と認められたことから、平成3年(千九百91年)7月20日に史跡に指定した。

(十六)から(十八)までについて
 継体天皇三嶋藍野陵、斉明天皇越智崗上陵及び大田皇女越智崗上墓については、「古事記」、「日本書紀」、「延喜式」等の古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき、治定されたものである。発掘調査等の成果に基づく諸説については承知しているが、宮内庁としては、治定を覆すに足る確実な資料を得るには至っていないと考えている。なお、今後とも様々な調査に基づく学術的成果には留意していく所存である。

(十九)について
 斉明天皇越智崗上陵及び大田皇女越智崗上墓に関する「日本書紀」等の古記録の記述の解釈については、諸説あり、お尋ねのような「記述」の「内容を詳らかに」することは困難である。

(二十)について
 お尋ねの「被葬者」は、文武天皇である。

(二十一)について
 宮内庁としては、御指摘の事柄は広く知られているものであり、皇室の方々のお耳にも達しているものと拝察している。

(二十二)について
 東百舌鳥陵墓参考地の工事は、墳丘裾部が濠水により浸食を受けていることから、その進行を防止するため、墳丘裾部の保護を行うものである。また、事前調査は、工事予定部分である墳丘裾部等に、複数のトレンチを設置して行う予定である。

(二十三)及び(二十七)について
 宮内庁においては、堺市教育委員会が、東百舌鳥陵墓参考地周辺の埋蔵文化財調査を検討中であることから、百舌鳥陵墓参考地と同様に同時調査を行うことについて、同市と協議を開始したところである。

(二十四)について
 御指摘のとおりである。

(二十五)について
 宮内庁は、平成20年(二千八年)に百舌鳥陵墓参考地において保全整備工事に伴う事前調査を行い、堺市教育委員会は、宮内庁の調査と同時に同陵墓参考地周辺の埋蔵文化財調査を行った。これらの調査においては、調査前に宮内庁と堺市との間で締結した協定に基づいて情報の共有や意見の交換を行ったが、調査の実施主体及び目的が異なるものであったため、同時調査と呼称した。

(二十六)について
 平成23年(二千11年)3月三11日に堺市教育委員会が発行した「百舌鳥古墳群の調査五御廟山古墳(GBY-六)発掘調査報告書」には、宮内庁及び堺市教育委員会の調査成果の全体が、双方の調査区の配置等が記載された図面も含め、総合的に掲載されている。

(二十八)から(三十一)までについて
 宮内庁としては、陵墓等については、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象となっているので、静安と尊厳の保持が最も重要と考えている。このため、陵墓等の管理に必要な場合を除き、陵墓等への立入りについては、厳に慎むべきであると考えているが、学術研究上の観点からの必要不可欠な立入りの要請に対しては、陵墓等の本義に支障がない限りにおいて、これを許可しているものである。

(三十二)について
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないため、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、古記録において「山陵」が「撥」かれたとの記述が見られる陵墓等について、その陵墓等の名称、考古学上の名称、所在地、「撥」かれた年の例は、次のとおりである。
 磯長山田陵 山田高塚古墳 大阪府南河内郡太子町 康平三年(千60年)
 狹城盾列池後陵 佐紀石塚山古墳 奈良県奈良市 康平六年(千63年)

(三十三)について
 御指摘の「外濠等」については、大阪府教育委員会からは、周知の埋蔵文化財包蔵地(文化財保護法第93条第一項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地をいう。以下同じ。)としていると聞いており、文化財保護の観点から地方公共団体により適切な措置が採られているものと考えている。
 また、御指摘の「外濠等」の範囲については、発掘調査が実施されていない部分もあり、明確にはなっていないと承知している。同法に基づく史跡への指定については、大阪府教育委員会や堺市教育委員会の発掘調査の結果を踏まえて、土地所有者等の財産権に配慮しつつ、検討すべきものと考える。

(三十四)について
 大阪府教育委員会が土師ニサンザイ古墳として周知の埋蔵文化財包蔵地としている範囲において、文化財保護法に規定する届出をした上で行われた調査件数は、宮内庁管理部分は一件、宮内庁管理部分以外は、調査を実施した大阪府教育委員会及び堺市教育委員会から七十四件と聞いており、合計七十五件である。また、お尋ねの「検出件数」は四十五件で、そのうち現状保存されたものは二十八件であり、現状保存されていないものについては、いずれも遺跡の記録を作成していると聞いている。また、同法の規定する届出をせずに行われた調査及び同法施行前に行われた調査については、網羅的に把握していないと聞いている。

(三十五)について
 お尋ねの「明らかに破壊された」の意味するところが必ずしも明らかではないが、堺市教育委員会によれば、百舌鳥古墳群において墳丘が消滅している古墳については、文化財保護法の施行前に消滅したものも含め、六十一基を把握していると聞いている。このうち、同法施行後に墳丘が消滅したと考えられるものは少なくとも九基を把握していると聞いており、この九基については、開発行為に伴う事前の調査によって遺跡の記録が保存されており、周知の埋蔵文化財包蔵地として地方公共団体により適切な措置が採られているものと考えている。

(三十六)について
 お尋ねの史跡の名称については、先の答弁書(平成21年7月6日内閣衆質一七一第611号)(二十七)についてでお答えしたとおりであり、現在の名称が適切であると考えている。

(三十七)について
 お尋ねの「後円部の等高線とほぼ直角に交わる破線」の箇所は、現在、周囲と判別できない状態であり、「墳丘くびれ部を斜めに横切る破線」の箇所は、現在、切り通し状となっている。「等高線とほぼ直角に交わる破線」の箇所を通路として利用することはない。

(三十八)について
 お尋ねの「研究者個人による申請」については、分析体制等の観点から想定していない。また、これまでに「分析の申請」はない。

(三十九)について
 お尋ねの「科学分析」については、宮内庁として、現時点では、必要ないと考えているが、先の答弁書(平成21年7月17日内閣衆質一七一第657号)(二十八)についてでお答えしたとおり、分析実績のある機関から申請があり、学術上の観点から必要不可欠であると認められれば、実施方法などを考慮し、検討することもあり得ると考えている。

(四十)について
 宮内庁においては、学術研究上の要請に応えるため、宮内庁内での展示、博物館等への貸出し等に努めており、実績のある博物館等から申請があり、学術上等の観点から必要であると認められれば、検討したいと考えている。

(四十一)について
 お尋ねについては、陵墓等の治定以降、管理用敷地の編入等による異動が多数あり、調査に膨大な作業を要するため、その全てをお答えすることは困難であるが、最近の事例としては、平成22年(二千十年)4月二17日付けで菟道稚郎子尊宇治墓の参道入口部分の一部を用途廃止したところである。

(四十二)について
 当時の政府が制札を設置した目的については、直接の記録がないため不明であるが、陵墓の静安と尊厳を守るため設置されたものと考えている。また、太政官達以前の陵墓の管理状況の詳細については明確ではない。

(四十三)について
 現在、宮内庁が設置している外構柵は、陵墓等の静安と尊厳を保持しつつ、良好な状態で管理することを目的としたものである。また、お尋ねの「外構柵」が最初に設置された正確な時期及び目的、最初の古代高塚式の陵墓等がどれであるかについては不明である。

(四十四)について
 陵墓等に鳥居が設けられるようになった時期は不明であるが、宮内庁としては、平安時代の公卿の日記に天智天皇山科陵、桓武天皇柏原陵等に鳥居があったことが記されていることから、それらの鳥居が平安時代には建てられていたと考えており、それ以降の古記録等においても鳥居に関する記述が見られることから、皇室においては、伝統的に陵墓等に鳥居を設置しているものと承知している。

(四十五)について
 宮内庁としては、「日本書紀」の記述に基づけば、平成28年(二千16年)は、神武天皇が崩御してから二千六百年に当たることになると承知しているが、お尋ねについては、諸説あるものと承知している。

(四十六)について
 「日本書紀」は神武天皇の即位について、「辛酉年春正月庚辰朔天皇即帝位於橿原宮是歳為天皇元年」と記述しており、この「辛酉年春正月庚辰朔」は、暦学上、紀元前六百60年2月11日に当たると解されている。

衆議院議員木村太郎 君 提出 天皇陛下御在位二十周年に関する質問に対する答弁書

平成22年2月12日受領
答弁第70号

  内閣衆質174第70号
  平成22年2月12日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫

       衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員木村太郎君提出天皇陛下御在位二十周年に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員木村太郎君提出天皇陛下御在位二十周年に関する質問に対する答弁書

一から四までについて
 政府は、天皇陛下の御在位20年を国民こぞってお祝い申し上げるのが望ましいと考え、平成21年10月6日の閣議において「天皇陛下御在位20年記念式典の挙行について」を決定した上で、同年11月12日に、国立劇場において天皇陛下御在位20年記念式典(以下「式典」という。)を挙行したところである。
 式典委員長である鳩山内閣総理大臣、式典副委員長である菅国務大臣及び平野内閣官房長官、式典委員である各国務大臣、内閣官房副長官等の政府の参列者は、式典挙行の趣旨を踏まえ、天皇陛下の御在位20年を慶祝する気持ちで式典に臨んだものである。
 また、万歳三唱の所作については、公式に定められたものがあるとは承知していない。

五について
 式典については、内閣総理大臣の式辞等や天皇皇后両陛下がお心をお寄せの分野の代表の辞、記念演奏、天皇陛下のおことば等で構成されていたが、それぞれの方の天皇陛下に対するお祝いを丁寧に表したいという気持ちなどから、全体の所要時間が予定より長くなったものであり、やむを得なかったものと考えている。

六について
 鳩山内閣としては、日本国憲法の定める象徴天皇の制度の下、天皇陛下を始めとする皇室の方々に、尊崇の念を持って対応している。
 また、我が国で、日の丸が国旗、君が代が国歌として定着していることは、多くの国民に認められているところであり、国旗及び国歌については、鳩山内閣としても敬意を持って対応すべきものと考えている。