衆議院議員たがや亮 君 提出 皇室典範改正に向けての議論に関する質問に対する答弁書

令和6年6月28日受領
答弁第174号

  内閣衆質213第174号
  令和6年6月28日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員たがや亮君提出皇室典範改正に向けての議論に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員たがや亮君提出皇室典範改正に向けての議論に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」(平成29年6月1日衆議院議院運営委員会)の一及び「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」(平成29年6月7日参議院天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会)の一に示された課題(以下「附帯決議で示された課題」という。)については、政府としては、令和3年12月22日に取りまとめられた「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議の報告を尊重することとして、令和4年1月12日に国会に報告を行ったものであり、現在、国民を代表する議員により組織される国会において、衆議院及び参議院の議長及び副議長を中心に、御指摘の全体会議を設置して各党各会派による御議論が進められているものと承知しており、このように国会において御議論が進められていることから、御指摘の世論調査に係るお尋ねについて、政府としてお答えすることは差し控えたい。

四について

 一から三までについてで述べたとおり、附帯決議で示された課題については、現在、国民を代表する議員により組織される国会において、衆議院及び参議院の議長及び副議長を中心に、御指摘の全体会議を設置して各党各会派による御議論が進められているものと承知しており、お尋ねについて、現時点において、政府としてお答えすることは困難である。

衆議院議員北野裕子 君 提出 選択的夫婦別氏制度に対する政府の姿勢に関する質問に対する答弁書

令和6年11月22日受領
答弁第6号

  内閣衆質215第6号
  令和6年11月22日
内閣総理大臣 石破 茂

       衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員北野裕子君提出選択的夫婦別氏制度に対する政府の姿勢に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員北野裕子君提出選択的夫婦別氏制度に対する政府の姿勢に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「現行制度の意義や歴史的・文化的背景」及び「導入に伴う社会的影響やデメリット」の意味するところが必ずしも明らかではないが、選択的夫婦別氏制度や現行の夫婦同氏制度については、御指摘のウェブサイトにおいて、「選択的夫婦別氏制度の導入に対する賛成意見や反対意見は、どのようなことを理由とするものでしょうか。」、「夫婦が必ず同じ氏を名乗ることになったのは、いつからですか。」、「平成27年の最高裁の大法廷判決では、夫婦同氏制度の意義や選択的夫婦別氏制度について、どのような判断が示されましたか。」、「別氏夫婦を認めたときの子どもの氏は、どうなるのですか。」、「別氏夫婦の戸籍は、どうなるのですか。」等の項目を設けて情報提供を行っているところであり、「記載内容の修正が必要である」とは考えていない。

二について

 お尋ねの「広く解釈を検討する余地がある」及び「抗議や反論を行わなかった理由」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、民法(明治29年法律第89号)第七百五十条は、夫又は妻の氏のいずれを称するかを夫婦の選択に委ねており、男女の平等の理念に反するものではないことから、御指摘の条約に違反するものではないと考えており、選択的夫婦別氏制度も含め、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方については、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進めていくこととしているところであって、御指摘の女子差別撤廃委員会においても、このような我が国の立場に理解が得られるよう説明に努めたところである。

三について

 政府においては、「第五次男女共同参画基本計画」(令和2年12月25日閣議決定)に沿って、選択的夫婦別氏制度も含め、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進めていくとともに、婚姻に伴って氏を改める者が不便さや不利益を感じることのないよう、旧姓の通称使用の拡大に取り組むこととしているところ、現在までに、全ての国家資格等を証する書面、住民票、個人番号カード及び旅券に記載される氏、不動産登記における所有権の登記名義人の登記すべき氏等において旧姓の通称使用や併記が可能とされるなど、旧姓の通称使用や併記が拡大しているものと承知している。なお、御指摘の「拡大する必要がある分野」及び「拡大可能な分野」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、引き続き旧姓の通称使用や併記の拡大に取り組んでまいりたい。

四について

 お尋ねの「周知方法」については、内閣府ウェブサイト等において、必要な情報提供を行っているところであるが、政府としては、引き続き幅広い周知に努めてまいりたい。

皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書

令和6年6月17日提出
質問第174号

皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書

提出者  たがや 亮

皇室典範改正に向けての議論に関する質問主意書

 額賀福志郎衆議院議長のよびかけで、5月17日、同二13日の二回にわたり、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が開かれた。
 額賀議長は、「今国会での意見のとりまとめ」への意欲を当初語っていたが、会期末が6月二13日に迫る中、二回にわたる全体会議の中でも各党各会派代表から示された意見項目には乖離の大きなものがあり、その後、各党各会派別に額賀議長ら全体会議の主催者側が再度の意見聴取を行うことになっている。
 全体会議で、れいわ新選組は、「「裏金問題」や国民生活の復旧が最優先で議論されるべき」と表明し、こうした喫緊の課題がある中で「静かな環境で皇位継承問題などを議論していくことは無理」であると述べた。この度の全体会議の進め方が額賀議長が提起した「毎週開催して協議」という方向に出来なかったことが、れいわ新選組の述べた主張の正しさを裏付けているものと考える。
 また、この間、世論調査で皇位継承の安定問題で国民の意識動向が新たに示されているのに、全体会議での議論の方向が主催者側から「論点」として示されたものにも、そして参加した各党各会派の大多数(れいわ新選組、日本共産党、社民党、沖縄の風を除く)の意見からもこれらが全く反映されていなかったことも特徴だった。従来の「男系男子継承」の継続を前提とした「女性皇族の婚姻後の皇籍維持」「旧宮家を含む皇統に属する男系男子の養子受け入れ」「男系男子を法律によって皇族に編入」などの策に限った議論が指向されたことは、国民の代表たる国会議員と所属党派・会派の多くが国民世論の動向とあまりに乖離した異常な状態を露わにするものとなったと考える。
 皇位継承の安定や女性皇族の位置づけなどの議論は、時間をかけて慎重に行うべきであり、れいわ新選組が指摘したように国民の多くに不信を広げた「裏金問題」解明や国民生活の復旧といった喫緊の課題を最優先にしつつも、議論では国民の世論動向を正しくふまえ、論点もしっかりと準備しつつ行うべきである。
 また、憲法第1条で定められている「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とされている以上、適切な形で国民の意見、意思が反映する形での議論や必要とされる場合の皇室典範改正につながる措置への国民の参与(公述や国民投票等)が必要とも考える。
 岸田文雄内閣総理大臣が総裁を務める自由民主党は、全体会議にあたって「安定的な皇位継承の在り方に関する所見」を明らかにしているが、ここに示されている意見は「皇族数の確保は正に喫緊の課題」「まずは、皇位継承の問題とは切り離して速やかに皇族数確保のための方策を講じ、その先に安定的な皇位継承の道を見出していくべき」「秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」などとして、男系男子継承を当面維持することを前提に「女性皇族の皇籍維持」「男系男子の養子受け入れ」等に言及しているが、前記のとおり例えば後述の質問で取り上げるような4月下旬公表の共同通信世論調査に示されたような国民の意見は全く無視されたものになっている。
 なぜ、「国民の総意に基く」皇位継承問題の議論で国民から示された多数意見を論点にすら取り上げようとしないのか、誠に不可解としか言いようがない。
 以上を踏まえて、岸田文雄内閣総理大臣に質問する。

一 4月下旬に公表された共同通信世論調査では、設問「あなたは女性皇族も皇位を継ぐ「女性天皇」を認めることに賛成ですか、反対ですか」に対して「賛成」五十二%、「どちらかといえば賛成」三十八%で賛成意見が合計九十%に達している。この意見をどう受けとめているか。
二 同じ調査の設問にある「女性天皇を認めた場合、あなたは女性天皇が皇族以外の男性と結婚して生まれた子が皇位を継ぐ「女系天皇」」についても、「賛成」三十八%、「どちらかといえば賛成」四十六%で賛成意見が合計八十四%に達している。この意見をどう受けとめているか。
三 同じ調査の設問にある「戦後の1947年に皇室を離れた旧宮家の男性子孫を皇族にし、「男系・男子」の天皇を維持する考えがあります。あなたはこの考えに賛成ですか、反対ですか」との問いに「賛成」七%、「どちらかといえば賛成」十八%で賛成意見が合計二十五%に対し、「反対」十九%、「どちらかといえば反対」五十五%と反対意見は合計七十四%に達している。この意見をどう受けとめているか。
四 この度、全体会議で論点に挙げられている「女性皇族の婚姻後の皇籍維持」や「男系男子の養子受け入れ」「法律による皇族編入」については、皇族数を増やすことにより皇室関係費の増額が見込まれる。これらについて、どのような見通しを具体的に持っているか。現状の皇室関係予算がどのような内容と規模で変化し、増大するのか現状での予測を示されたい。

 右質問する。

選択的夫婦別氏制度に対する政府の姿勢に関する質問主意書

令和6年11月11日提出
質問第6号

選択的夫婦別氏制度に対する政府の姿勢に関する質問主意書

提出者  北野裕子

選択的夫婦別氏制度に対する政府の姿勢に関する質問主意書

 令和6年11月4日現在、選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度。以下、「別氏」は、「別姓」とする)について、導入を求める意見が見られる。しかし、我が国では、家族単位を基盤とする戸籍制度が長く根付いており、夫婦が同じ姓を持つことで家族の一体感が保たれ、親族関係を明確にする役割を果たしている。こうした日本に根付いた家族観は、他国とは異なる日本の特徴であり、単に「選択の自由」の問題として扱うべきではない。
 民法第七百五十条及び戸籍法第74条第1号では、夫婦のいずれかの姓を選択することが認められており、姓の選択に関して強制はなく、現行法は柔軟な選択を許容している。この点については、令和3年6月23日に最高裁判所大法廷において、憲法上の問題はないと判断されており、姓の選択が差別に当たらないとされている。
 一方、国際連合の女子差別撤廃委員会は、日本に対し、結婚後も女性が旧姓を維持できるよう法改正を勧告している。しかし、この勧告は日本の伝統的な家族観や国民の意識を十分に考慮しているとは言い難い。
 現在、我が国では、姓の変更による不便の対応として、旧姓の通称使用や併記が多くの分野で認められている。国家資格や公的身分証などでも旧姓の通称使用や併記が可能であり、夫婦同姓による不便は事実上解消されつつあるといえる。必要があれば、これらの範囲をさらに広げることで対応は可能である。
 また、国民の意識調査においても、夫婦同姓を支持する声が多い。令和3年に内閣府が実施した家族の法制に関する世論調査では、夫婦同姓を「維持したほうがよい」との回答が二十七%、夫婦同姓を維持しつつ「旧姓の通称使用の法制度を設けた方がよい」が四十二%であり、合計六十九%が現行制度の維持に賛同している。また、共同通信社が令和6年に実施した主要企業に対するアンケートでは、選択的夫婦別姓の導入を「早期に実現すべき」とする企業が十七%、「将来的には実現するべき」が四%に留まり、「その他・無回答」が六十七%を占めている。このことからも、急速な制度変更は必ずしも社会全体や企業の意識に即したものではないと考えられる。
 さらに、夫婦別姓制度が導入されると、夫婦や親子間で異なる姓を使用することで家族の一体感が損なわれる懸念がある。特に、第三者から家族関係が把握しにくくなることは、家庭や社会の安定にとってマイナスの要因となり得る。また、新生児の姓や終末期の墓の記名をめぐり、夫婦や実家間での議論が増える可能性も考えられる。こうしたことから、選択的夫婦別姓制度は家族間や世代間の法的争いや一体感の喪失につながる懸念がある。
 さらに、戸籍制度の改変による行政コストの増加や、親族関係や日本国籍の公証に不可欠な戸籍制度の在り方についても、慎重な検討が必要である。制度変更が社会全体に新たな混乱や負担をもたらす可能性がある。
 以下これらの点を踏まえて質問する。

一 法務省のウェブサイトには「選択的夫婦別氏制度」について、「結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の氏を称することを認める制度」と説明され、現行制度についても「男性の氏を選び、女性が改姓する例が圧倒的多数である」旨の説明がされている。しかし、同ページでは、女性の社会進出に伴う改姓の不便・不利益等が導入の背景として強調され、日本の歴史的・文化的背景や、現行制度が持つ家族の一体感維持の意義については記載がない。法務省が、選択的夫婦別姓制度の導入は、婚姻制度や家族の在り方と関係する重要な問題であり、国民の理解のもとに進められるべきとするのであれば、女性の社会進出に伴う不便のみを取り上げるのではなく、現行制度の意義や歴史的・文化的背景、また導入に伴う社会的影響やデメリットについても情報提供を行う必要があると考える。その記載がない理由が特段あれば説明を求める。また、記載内容の修正が必要であると考えるが、どうか。
二 令和6年10月30日、林芳正官房長官は会見において、皇位継承を男系男子に限る皇室典範について、国連の女子差別撤廃委員会から改正の勧告があったことに対し、抗議を行った。一方、同委員会からの選択的夫婦別氏制度導入に関する勧告については抗議や反論が行われていないが、政府として、夫婦同姓制度(民法第七百五十条)が女子差別撤廃条約第1条に照らし、広く解釈を検討する余地があると考えているのか。仮に現行の夫婦同姓制度が女性差別に該当しないとの見解である場合、同委員会の勧告に対して抗議や反論を行わなかった理由があれば示されたい。
三 政府は、旧姓の通称使用や併記の現状をどのように評価しているか。さらに拡大する必要がある分野があると考えているか。また、現状での拡大可能な分野についての把握は既に済んでいるのか、確認したい。
四 旧姓の使用や併記が可能であることが十分に周知されていないと考えられる。政府は、現在どのような周知方法を実施しているのか。また、今後、これらの周知を徹底するためにどのような方策を検討しているのか。

 右質問する