宮家の法的地位に関する質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書

質問第8号

宮家の法的地位に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。

  令和2年1月20日

熊谷 裕人

       参議院議長 山東 昭子 殿

   宮家の法的地位に関する質問主意書

 現在、秋篠宮家、常陸宮家、三笠宮家、高円宮家の四つの、いわゆる「宮家」があると承知している。
 いずれも創設は昭和以後で、高円宮家を除く三つの宮家は、いわゆる直宮家であり、当時の天皇の子女や兄弟が創設した宮家である。
 現存する四つの宮家を構成する者は、親王、親王妃、内親王、女王などであり、皇室典範第5条に「皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする」と規定されるところの皇族である。
 平成29年6月7日、菅官房長官は、参議院天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会で、「いわゆる宮家とは、独立して一家を成す皇族に対する一般的な呼称であり、宮家の名前である宮号は、天皇陛下のおぼしめしにより皇族に対して賜るものである」との見解を示し、そのあり方については、「国民のコンセンサスを得るために、十分な分析、検討、慎重な手続、こうしたことが必要である」と発言している。
 いわゆる宮家というものについては、多くの国民はその法的地位について十分理解しているとは言えず、皇室典範などの法令で規定されているものでもないと思われる。宮号についても「天皇陛下のおぼしめし」によるものであり、その宮号を賜った皇族が宮家を創設することが通例となっているため、現行の宮家の制度は法的根拠を持つものとは言えないものの、安定した皇位の継承にあたっては、宮家の法的地位について明確にしておくことは意義あるものと考える。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 いわゆる「宮家」には法的な根拠はなく、その法的地位は曖昧なものであり、もっぱら「天皇陛下のおぼしめし」により宮号を賜った皇族が創設しているのが現状であるとの理解でよいか。

二 前記一に関連して、現行法上、宮家は明確な法的地位を有していないと見るべきであり、法的には皇族の範囲が皇室典範で規定されているにとどまり、宮家の存在は皇室の慣習上の存在であるという理解でよいか。

三 現行法上、いわゆる「女性宮家」を創設するのであれば、宮家を規定する法令がそもそもないため、皇室典範第5条でいう内親王、女王などの女性皇族に対して「天皇陛下のおぼしめし」があれば、その創設は可能であるのではないか。

四 安定した皇位の継承を図るためにも、「宮家」の法的地位については、「天皇陛下のおぼしめし」によるもののままにするのではなく、天皇陛下に政治責任を生じさせる懸念を排除するためにも、立法措置を講ずるべきではないか。政府の見解如何。

  右質問する。

天皇制についての論議に関する質問主意書

第164回国会(常会)

質問主意書

質問第13号

天皇制についての論議に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。

  平成18年2月7日

喜納 昌吉   

       参議院議長 扇 千景 殿

   天皇制についての論議に関する質問主意書

 昨年11月末、小泉内閣総理大臣の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(以下、「有識者会議」という。)が女性・女系天皇を容認する方針を打ち出して以来、国会内外でその是非についての議論が活発に行われている。だが現在、国会で展開されている天皇制をめぐる議論は、女性・女系天皇を認めるか否かに集中し、天皇制そのものの存続の是非についての議論が全くなされていない。
 近現代日本女性史の専門家である加納美紀代氏が昨年10月二18日付「朝日新聞」に書いた『天皇制そのもの議論を』で、「天皇制は生まれながらの貴賎や階層秩序を生み出す根源であり、人間平等の理念に反する。これらは女性天皇が可能になっても変わらない。」、「いまや天皇制存続のために女性天皇を容認するよりも、天皇制存続の是非を議論すべきではないだろうか。」と問題提起している。まことに的を射た指摘であり、存続の賛否いずれの立場からでもなく、論理的な立場から、天皇制存続の是非を問う議論を優先的に行うべきだと考える。
 そこで、以下質問する。

一 天皇制存続の是非について政府内でも議論を行う必要があるといった考え方があることについて、政府の所見を示されたい。また、政府はこれまでに天皇制存続の是非を問う論議をしたことはないと承知しているが、その理由を明らかにされたい。

二 小泉内閣総理大臣は有識者会議に対して、天皇制存続の是非についての意見集約を求めたか否か、明らかにされたい。また、有識者会議で、天皇制存続の是非についての論議がなされたか否かを明らかにされたい。

三 昨年来、憲法改正論議も活発になっているが、憲法改正を議論する以上、論理的な立場からすれば、全条項が改正論議の対象になる。そこで、仮に憲法改正が不可避であるならば、憲法前文に謳われている「主権在民」の精神を強調するために、第一章は、現行憲法で第三章に規定されている「国民の権利及び義務」とすべきではないか。この点について政府の考えを示されたい。

  右質問する。

衆議院議員初鹿明博 君 提出 皇室会議に菅内閣官房長官が陪席したことに関する質問に対する答弁書

平成29年12月12日受領
答弁第79号

  内閣衆質195第79号
  平成29年12月12日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員初鹿明博君提出皇室会議に菅内閣官房長官が陪席したことに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員初鹿明博君提出皇室会議に菅内閣官房長官が陪席したことに関する質問に対する答弁書

一から四までについて
 お尋ねの「菅内閣官房長官の席が・・・議員の輪の中にあった」の意味するところが必ずしも明らかではないが、菅内閣官房長官は、平成29年12月1日に開催された皇室会議の議案が、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)の施行日に関する件であったことから、同法を立案し、及びその施行に関する事務をつかさどる内閣官房の事務を統轄する者として、当該議案とこれに関連して同法の内容等を説明するため、当該皇室会議に出席したものである。また、個々の議員の発言について明らかにすることは差し控えたいが、当該皇室会議における合意に従い、その議事の概要を作成し、公表したところである。

衆議院議員吉井英勝 君 提出 陵墓の治定変更と公開に関する質問に対する答弁書

平成24年2月3日受領
答弁第1号

  内閣衆質180第1号
  平成24年2月3日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員吉井英勝君提出陵墓の治定変更と公開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員吉井英勝君提出陵墓の治定変更と公開に関する質問に対する答弁書

(一)について
 古代の皇室の歴史等に関する「古事記」、「日本書紀」等の記述は多岐にわたり、その解釈についても諸説あると承知しており、これらの記述が史実か否かを一概にお答えすることは困難であるため、御指摘の答弁書(平成21年7月6日内閣衆質一七一第611号)(三)及び(五)についてのとおりお答えしたものである。

(二)について
 陵墓及び陵墓参考地(以下「陵墓等」という。)は、国有財産法(昭和23年法律第73号)第3条第二項第3号に規定する皇室用財産に該当するものであるため、関係法令の定めるところにより、宮内庁が管理しているものである。

(三)について
 お尋ねの「考古学上の古墳」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の陵墓等については、文化財保護法(昭和25年法律第二百十四号)第95条が規定する措置の一環として地方公共団体が作成した遺跡台帳に、考古学上の名称が記載されていなかったため、御指摘の答弁書(平成22年8月20日内閣衆質一七五第38号)(五)についてにおいては、「不詳」とお答えしたものである。

(四)について
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の四十五陵は、「延喜式」に加え、「日本書紀」、「古事記」等の古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき治定されたものである。

(五)、(七)及び(八)について
 陵墓等の治定替え又は治定解除については、確実な資料が必要であると考えており、御指摘の答弁書(平成21年7月6日内閣衆質一七一第611号)(十三)についてにおいては、この事理を述べているものである。

(六)について
 お尋ねについては、先の答弁書(平成22年8月20日内閣衆質一七五第38号)(四)についてで述べたとおりである。

(九)及び(十)について
 陵墓参考地の治定の根拠とされた古記録や口碑伝承の内容が史実であるかを一概にお答えすることは困難であるが、陵墓参考地の治定に当たっては、古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき、総合的に判断されたものと考えている。

(十一)について
 宮内庁においては、学術論文等を収集するとともに、陵墓等の管理を通して得られる知見を踏まえ、現在も陵墓参考地の考証を行っているところである。

(十二)について
 お尋ねの「今城塚古墳」については、墳丘の長さ約二百メートルの大型の前方後円墳であり、周濠等の跡も良好に認められ、学術上重要と認められたことから、昭和33年(千九百58年)2月18日に史跡に指定した。史跡指定範囲は、墳丘、内濠、内堤、外濠及び外堤の一部である。

(十三)について
 継体天皇三嶋藍野陵は、江戸時代の享保年間(千七百16年から千七百36年までの期間をいう。)までに現在地に治定されたものであるが、当時の考証記録は残っていない。明治に至り、宮内省が、古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき、再考証を行い、現在地が適当としている。

(十四)について
 お尋ねの「太田茶臼山古墳」から出土した埴輪が製作された時期及び同古墳の築造時期については、茨木市教育委員会から五世紀中頃から後半であると考えられると聞いており、「今城塚古墳」から出土した埴輪が製作された時期及び同古墳の築造時期については、高槻市教育委員会から六世紀前半であると考えられると聞いている。

(十五)について
 御指摘の「窯跡群」については、「今城塚古墳」等に置かれた埴輪が製作されていたと考えられる大規模な工房の跡であり、当時の埴輪製作の実態が具体的に捉えられる点で学術上重要と認められたことから、平成3年(千九百91年)7月20日に史跡に指定した。

(十六)から(十八)までについて
 継体天皇三嶋藍野陵、斉明天皇越智崗上陵及び大田皇女越智崗上墓については、「古事記」、「日本書紀」、「延喜式」等の古記録の記述、地元の口碑伝承、現地踏査等に基づき、治定されたものである。発掘調査等の成果に基づく諸説については承知しているが、宮内庁としては、治定を覆すに足る確実な資料を得るには至っていないと考えている。なお、今後とも様々な調査に基づく学術的成果には留意していく所存である。

(十九)について
 斉明天皇越智崗上陵及び大田皇女越智崗上墓に関する「日本書紀」等の古記録の記述の解釈については、諸説あり、お尋ねのような「記述」の「内容を詳らかに」することは困難である。

(二十)について
 お尋ねの「被葬者」は、文武天皇である。

(二十一)について
 宮内庁としては、御指摘の事柄は広く知られているものであり、皇室の方々のお耳にも達しているものと拝察している。

(二十二)について
 東百舌鳥陵墓参考地の工事は、墳丘裾部が濠水により浸食を受けていることから、その進行を防止するため、墳丘裾部の保護を行うものである。また、事前調査は、工事予定部分である墳丘裾部等に、複数のトレンチを設置して行う予定である。

(二十三)及び(二十七)について
 宮内庁においては、堺市教育委員会が、東百舌鳥陵墓参考地周辺の埋蔵文化財調査を検討中であることから、百舌鳥陵墓参考地と同様に同時調査を行うことについて、同市と協議を開始したところである。

(二十四)について
 御指摘のとおりである。

(二十五)について
 宮内庁は、平成20年(二千八年)に百舌鳥陵墓参考地において保全整備工事に伴う事前調査を行い、堺市教育委員会は、宮内庁の調査と同時に同陵墓参考地周辺の埋蔵文化財調査を行った。これらの調査においては、調査前に宮内庁と堺市との間で締結した協定に基づいて情報の共有や意見の交換を行ったが、調査の実施主体及び目的が異なるものであったため、同時調査と呼称した。

(二十六)について
 平成23年(二千11年)3月三11日に堺市教育委員会が発行した「百舌鳥古墳群の調査五御廟山古墳(GBY-六)発掘調査報告書」には、宮内庁及び堺市教育委員会の調査成果の全体が、双方の調査区の配置等が記載された図面も含め、総合的に掲載されている。

(二十八)から(三十一)までについて
 宮内庁としては、陵墓等については、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象となっているので、静安と尊厳の保持が最も重要と考えている。このため、陵墓等の管理に必要な場合を除き、陵墓等への立入りについては、厳に慎むべきであると考えているが、学術研究上の観点からの必要不可欠な立入りの要請に対しては、陵墓等の本義に支障がない限りにおいて、これを許可しているものである。

(三十二)について
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないため、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、古記録において「山陵」が「撥」かれたとの記述が見られる陵墓等について、その陵墓等の名称、考古学上の名称、所在地、「撥」かれた年の例は、次のとおりである。
 磯長山田陵 山田高塚古墳 大阪府南河内郡太子町 康平三年(千60年)
 狹城盾列池後陵 佐紀石塚山古墳 奈良県奈良市 康平六年(千63年)

(三十三)について
 御指摘の「外濠等」については、大阪府教育委員会からは、周知の埋蔵文化財包蔵地(文化財保護法第93条第一項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地をいう。以下同じ。)としていると聞いており、文化財保護の観点から地方公共団体により適切な措置が採られているものと考えている。
 また、御指摘の「外濠等」の範囲については、発掘調査が実施されていない部分もあり、明確にはなっていないと承知している。同法に基づく史跡への指定については、大阪府教育委員会や堺市教育委員会の発掘調査の結果を踏まえて、土地所有者等の財産権に配慮しつつ、検討すべきものと考える。

(三十四)について
 大阪府教育委員会が土師ニサンザイ古墳として周知の埋蔵文化財包蔵地としている範囲において、文化財保護法に規定する届出をした上で行われた調査件数は、宮内庁管理部分は一件、宮内庁管理部分以外は、調査を実施した大阪府教育委員会及び堺市教育委員会から七十四件と聞いており、合計七十五件である。また、お尋ねの「検出件数」は四十五件で、そのうち現状保存されたものは二十八件であり、現状保存されていないものについては、いずれも遺跡の記録を作成していると聞いている。また、同法の規定する届出をせずに行われた調査及び同法施行前に行われた調査については、網羅的に把握していないと聞いている。

(三十五)について
 お尋ねの「明らかに破壊された」の意味するところが必ずしも明らかではないが、堺市教育委員会によれば、百舌鳥古墳群において墳丘が消滅している古墳については、文化財保護法の施行前に消滅したものも含め、六十一基を把握していると聞いている。このうち、同法施行後に墳丘が消滅したと考えられるものは少なくとも九基を把握していると聞いており、この九基については、開発行為に伴う事前の調査によって遺跡の記録が保存されており、周知の埋蔵文化財包蔵地として地方公共団体により適切な措置が採られているものと考えている。

(三十六)について
 お尋ねの史跡の名称については、先の答弁書(平成21年7月6日内閣衆質一七一第611号)(二十七)についてでお答えしたとおりであり、現在の名称が適切であると考えている。

(三十七)について
 お尋ねの「後円部の等高線とほぼ直角に交わる破線」の箇所は、現在、周囲と判別できない状態であり、「墳丘くびれ部を斜めに横切る破線」の箇所は、現在、切り通し状となっている。「等高線とほぼ直角に交わる破線」の箇所を通路として利用することはない。

(三十八)について
 お尋ねの「研究者個人による申請」については、分析体制等の観点から想定していない。また、これまでに「分析の申請」はない。

(三十九)について
 お尋ねの「科学分析」については、宮内庁として、現時点では、必要ないと考えているが、先の答弁書(平成21年7月17日内閣衆質一七一第657号)(二十八)についてでお答えしたとおり、分析実績のある機関から申請があり、学術上の観点から必要不可欠であると認められれば、実施方法などを考慮し、検討することもあり得ると考えている。

(四十)について
 宮内庁においては、学術研究上の要請に応えるため、宮内庁内での展示、博物館等への貸出し等に努めており、実績のある博物館等から申請があり、学術上等の観点から必要であると認められれば、検討したいと考えている。

(四十一)について
 お尋ねについては、陵墓等の治定以降、管理用敷地の編入等による異動が多数あり、調査に膨大な作業を要するため、その全てをお答えすることは困難であるが、最近の事例としては、平成22年(二千十年)4月二17日付けで菟道稚郎子尊宇治墓の参道入口部分の一部を用途廃止したところである。

(四十二)について
 当時の政府が制札を設置した目的については、直接の記録がないため不明であるが、陵墓の静安と尊厳を守るため設置されたものと考えている。また、太政官達以前の陵墓の管理状況の詳細については明確ではない。

(四十三)について
 現在、宮内庁が設置している外構柵は、陵墓等の静安と尊厳を保持しつつ、良好な状態で管理することを目的としたものである。また、お尋ねの「外構柵」が最初に設置された正確な時期及び目的、最初の古代高塚式の陵墓等がどれであるかについては不明である。

(四十四)について
 陵墓等に鳥居が設けられるようになった時期は不明であるが、宮内庁としては、平安時代の公卿の日記に天智天皇山科陵、桓武天皇柏原陵等に鳥居があったことが記されていることから、それらの鳥居が平安時代には建てられていたと考えており、それ以降の古記録等においても鳥居に関する記述が見られることから、皇室においては、伝統的に陵墓等に鳥居を設置しているものと承知している。

(四十五)について
 宮内庁としては、「日本書紀」の記述に基づけば、平成28年(二千16年)は、神武天皇が崩御してから二千六百年に当たることになると承知しているが、お尋ねについては、諸説あるものと承知している。

(四十六)について
 「日本書紀」は神武天皇の即位について、「辛酉年春正月庚辰朔天皇即帝位於橿原宮是歳為天皇元年」と記述しており、この「辛酉年春正月庚辰朔」は、暦学上、紀元前六百60年2月11日に当たると解されている。

衆議院議員中島政希 君 提出 皇室典範改正に関する質問に対する答弁書

平成24年2月17日受領
答弁第55号

  内閣衆質180第55号
  平成24年2月17日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員中島政希君提出皇室典範改正に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員中島政希君提出皇室典範改正に関する質問に対する答弁書

一及び二について
 政府としては、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下の御公務の負担をどのように軽減していくかは、大変緊急性の高い課題であると認識している。その上で、皇室典範(昭和22年法律第3号)第12条において「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。」と規定されている皇族女子の身分等の問題に絞り、皇位の継承の問題とは切り離して検討を行うこととしたものである。
 なお、安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本に関わる事項であり、政府としては、国民各層の様々な議論も十分に踏まえながら、検討していく必要があると考えている。

三について
 政府としては、皇室の方々が国政に関与したと受け取られないよう十分に留意しつつ、今後の皇室の在り方など皇室の将来に関わる問題について、皇室の方々のお気持ちを酌み取る努力を行ってまいりたい。

衆議院議員奥野総一郎 君 提出 「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問に対する答弁書

平成28年10月7日受領
答弁第24号

  内閣衆質192第24号
  平成28年10月7日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員奥野総一郎君提出「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員奥野総一郎君提出「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問に対する答弁書

一について
 御指摘の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」においては、お尋ねの「退位」の問題も含め、天皇の公務の負担軽減等について、予断を持つことなく、議論を進めていただくことを予定している。

二について
 菅内閣官房長官は、平成28年9月23日午前の記者会見において、「退位」という用語を「天皇が皇位を退くこと」という意味で用いたものである。その上で、お尋ねの「譲位」という用語は様々な文脈で用いられるものであることから、「「譲位」とは異なるのか」とのお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

三、四並びに五の2及び3について
 あくまでも一般論として純粋の法律論をお答えすれば、憲法第2条は、「皇位は、世襲のもの」とするほかは、皇位の継承に係る事項については、「国会の議決した皇室典範」すなわち法律で適切に定めるべきであるということを規定しているものと解される。その上で、皇室典範(昭和22年法律第3号)第4条において、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」と規定し、崩御のみを皇位の継承の事由として定めているところであり、お尋ねの「退位」を皇位の継承の事由とするか否かは、御指摘の憲法第1条を始めとする憲法の規定の趣旨等を踏まえて、立法の問題として検討されるべき事項であると考えられる。また、一般に、ある法律の特例や特則を別の法律で規定することは法制上可能であることを踏まえると、憲法第2条に規定する「皇室典範」には、現行の皇室典範のみならず、その特例や特則を定める別法も含み得ると考えられる。

五の1について
 御指摘の報道は承知しているが、天皇の公務の負担軽減等については、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」において、予断を持つことなく、議論を進めていただくことを予定している。

六について
 皇室典範第11条第二項において「親王」から「皇太子及び皇太孫を除く」としているのは、「親王」のうち皇位継承の順位が第一位であって天皇の直系の子孫である方については、「やむを得ない特別の事由があるとき」であっても皇族の身分を離れることができないとするものであって、御指摘のように、一般的に「皇位継承順位第一位の者が皇籍離脱することを認めない」という趣旨であるとは解していないことから、そのような趣旨であることを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難である。

七及び八について
 政府としては、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」において、お尋ねの「退位」の問題も含め、天皇の公務の負担軽減等について、予断を持つことなく、議論を進めていただくことを予定していることから、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

衆議院議員大西健介 君 提出 天皇陛下の退位についての法整備及び皇室典範の法律上の位置づけに関する質問に対する答弁書

平成29年3月21日受領
答弁第129号

  内閣衆質193第129号
  平成29年3月21日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 麻生太郎

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員大西健介君提出天皇陛下の退位についての法整備及び皇室典範の法律上の位置づけに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員大西健介君提出天皇陛下の退位についての法整備及び皇室典範の法律上の位置づけに関する質問に対する答弁書

一及び二について
 お尋ねの「憲法は、・・・第4条第二項と第5条のように、法律と皇室典範を明白に書き分けている」、「憲法で下位の法令を固有名詞で引用している」及び「皇室典範は、特例法を含め、他の法律では代替できない」の意味するところが必ずしも明らかではないが、あくまでも一般論として純粋の法律論をお答えすれば、憲法第2条は、「皇位は、世襲のもの」とするほかは、お尋ねの「退位」を含め皇位の継承に係る事項については、「国会の議決した皇室典範」すなわち法律で、憲法第4条第二項は、国事行為の委任に係る事項については、法律で、憲法第5条は、摂政の設置等に係る事項については、「皇室典範」すなわち法律で、それぞれ適切に定めるべきであるということを規定しているものと解される。その上で、一般に、ある法律の特例や特則を別の法律で規定することは法制上可能であることを踏まえると、憲法第2条に規定する「皇室典範」には、現行の皇室典範(昭和22年法律第3号)のみならず、その特例や特則を定める別法も含み得ると考えられる。

衆議院議員上西小百合 君 提出 天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に関する質問に対する答弁書

平成29年6月20日受領
答弁第399号

  内閣衆質193第399号
  平成29年6月20日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員上西小百合君提出天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員上西小百合君提出天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に関する質問に対する答弁書

一について
 平成29年3月17日に取りまとめられた「「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ」(以下「議論のとりまとめ」という。)においては、「国権の最高機関たる国会が、特例法の制定を通じて、その都度、諸事情を勘案し、退位の是非に関する国民の受け止め方を踏まえて判断することが可能となり、恣意的な退位や強制的な退位を避けることができることとなる」等とされているところ、同年6月9日に成立した天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)については、この議論のとりまとめを厳粛に受け止め、その内容を忠実に反映させて、法律案を立案したものである。

二について
 女性皇族の婚姻等による皇族数の減少に係る問題については、国民の間にも様々な意見があり、その合意を得るためには、十分な分析、検討と慎重な手続が必要であると考えており、今後、御指摘の附帯決議の趣旨を尊重し、国民世論の動向に十分配慮しつつ、適切に対処してまいりたい。

三について
 お尋ねの「真意」の意味するところが必ずしも明らかではないが、退位後の御活動については、退位後に、新たなお立場を踏まえて決せられる事柄であると考えている。

衆議院議員逢坂誠二 君 提出 皇室会議における菅官房長官の役割に関する質問に対する答弁書

平成29年12月12日受領
答弁第77号

  内閣衆質195第77号
  平成29年12月12日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員逢坂誠二君提出皇室会議における菅官房長官の役割に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員逢坂誠二君提出皇室会議における菅官房長官の役割に関する質問に対する答弁書

一について
 御指摘のとおりである。

二について
 お尋ねの「皇室会議の議員と同じような着席形式」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成29年12月1日に開催された皇室会議を除き、内閣官房長官が皇室会議に出席した事例はない。

三から五までについて
 お尋ねの「資格」、「「議事」に参加」、「皇室会議の議員の輪に加わる」及び「皇室会議の政治主導をアピールするもの」の意味するところが必ずしも明らかではないが、菅内閣官房長官は、平成29年12月1日に開催された皇室会議の議案が、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)の施行日に関する件であったことから、同法を立案し、及びその施行に関する事務をつかさどる内閣官房の事務を統轄する者として、当該議案とこれに関連して同法の内容等を説明するため、当該皇室会議に出席したものである。

衆議院議員津村啓介 君 提出 宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問に対する答弁書

令和元年7月5日受領
答弁第277号

  内閣衆質198第277号
  令和元年7月5日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員津村啓介君提出宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員津村啓介君提出宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問に対する答弁書

一について
 御指摘の「宮内庁によって陵墓に治定された古墳」については、そもそも国有財産法(昭和23年法律第73号)第3条第二項第3号に掲げる皇室用財産であって、同法第9条の五の規定により宮内庁によって適切に管理しているものであるが、文化財保護法(昭和25年法律第二百十四号)第93条第一項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するものであることから、これを発掘しようとする場合には文化庁長官に対する届出等を要することとされるなど、同法の保護の対象となっている。

二及び三について
 陵墓については、御指摘の「百舌鳥・古市古墳群」を構成するものを含め、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象となっていることから、静安と尊厳の保持が最も重要であると考えている。このため、陵墓への立入りについては、その管理に必要な場合以外は厳に慎むべきものと考えており、参道及び一般拝所を除き、一般来訪者の立入りを認めることは考えていないが、学術研究上の観点から必要不可欠な立入り要請に対しては、陵墓の本義に支障を及ぼさない限りにおいて、これを許可している。

四について
 宮内庁書陵部陵墓課は、陵墓の調査及び考証に関すること等をつかさどることとされているところ、同課所属の陵墓調査官一名及び首席研究官一名並びに同課陵墓調査室所属の五名は、いずれも考古学等の知見を有する職員であって、陵墓の調査及び考証等の事務に従事している。また、その調査の成果については、御指摘のとおり「書陵部紀要」で公表しており、平成21年度以降に刊行した「書陵部紀要」については、宮内庁のホームぺージにおいて公開しているところであり、加えて、同課が所蔵している考古資料については、学術研究上の要請に応えるため、同庁内での展示、博物館等への貸出し、研究者の調査の受入れ等に努めている。

五について
 陵墓の治定について様々な学説があることは承知しているが、四についてで述べた陵墓の調査及び考証等を通じて、陵墓の治定を覆すに足りる陵誌銘等の確実な資料が発見されない限り、現在の陵墓の治定を見直すことは考えていない。

六について
 明治天皇の伏見桃山陵の墳形については、「大正15年皇室令第12号皇室陵墓令正本附属書類」中の「大正15年皇室陵墓令案皇族後見令案皇族遺言令案皇族会議議事録」において、「伏見桃山陵ノ営建ニ当リ慎重ナル研究ノ結果外形ヲ天智天皇ノ山科陵ニ則リ上円下方三段型ニ定メラレ伏見桃山東陵モ亦之ニ倣ヒ真ニ森厳嵩高ニシテ而カモ質実堅牢ナルヲ以テ本令ニ於テ上円下方三段型ヲ原則トシ事情ノ許サザル場合ニハ孝徳天皇陵ヲ始メ其ノ以後多ク採用セラレタル円丘型ニ拠ルコトニ規定シタリ」と記載されており、また、大正天皇の多摩陵の墳形については、「大正15年昭和元年大正天皇崩御関係書類」中の「大正天皇多摩陵ノ陵形ヲ定メラルル件」において、「営建要項」として「陵形ハ上円下方トシ共ニ三段ト為スコト伏見桃山陵ニ準ス」と、「理由」として「皇室陵墓令第5条ニ於テ陵形ニ付上円下方及円丘ノ二種ヲ認ム伏見桃山陵ハ歴代ノ陵制ニ考ヘ質実堅牢森厳嵩高ヲ旨トシ上円下方三段型ト為ス」と記載されていると承知している。
 昭和天皇の武蔵野陵の墳形については、伏見桃山陵及び多摩陵の墳形にならったものである。

七について
 お尋ねの「この「世襲」の起点」の意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法第2条の「世襲」とは、皇位が代々、天皇の血統に属する者によって継承されるということを規定したものである。